平成19年度全国学力・学習状況調査における結果と分析の概要について
大阪狭山市教育委員会
1.調査の概要 本調査は、文部科学省が、学校の設置管理者の協力を得て実施したものです。
(1) 調査の目的 ・全国的な義務教育の機会均等と水準向上のため、児童生徒の学力・学習状況を把握・分析することにより、教育の結果を検証し、改善を図る。 ・各教育委員会、学校等が全国的な状況との関係において、自らの教育を把握し、改善を図る。
(2) 調査の対象学年 小学校第6学年 中学校第3学年
(3) 調査の内容 @生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査
A教科に関する調査
(4) 調査日時 平成19年4月24日(火 ) ※ なお、来年度以降も原則として毎年4月の第4火曜日に実施予定です。
(5) 4月24日に調査を実施した学校・児童生徒数
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2.本市の結果と分析 (1) 質問紙調査 a. 児童・生徒質問紙調査 <生活習慣・学習環境についての主な課題> ・家の人と普段、朝食や夕食を一緒に食べない子どもが、特に中学校で多くなっています。 ・起床時刻と就寝時刻が、ともに遅い傾向にあります。 ・家で学校の宿題をしている子どもが多く、学校以外で2時間以上学習する子どもが、特に中学校で多いのですが、全く学習しない子どももいます。
<学習への意識についての主な課題> ・国語が好きでない子どもや、数学を大切だと感じていない子どもが、中学校で多くいます。 ・授業中、「自分の考えを話したり、書いたりすることが多い」と感じたり、「学習したことを生活の中で活用しよう」と考えている子どもが、少ない傾向にあります。 ●基本的な生活習慣や学習環境を整えることは、学力の向上と密接な関係があります。学校と家庭が協力し、子どもの生活習慣や学習環境等を整えるための取り組みを進める必要があります。 ●子どもの学習に対する意欲を高めることが大切です。子どもが自ら考えて問題を解決し、達成感を得られるよう、各学校における授業研究を、さらに進める必要があります。
b. 学校質問紙調査 ・「児童・生徒が熱意を持って勉強している」について、全ての小・中学校で、「そう思う」「どちらかといえば、そう思う」と答えています。また、全ての中学校で「生徒が授業中の私語が少なく落ち着いている」と「生徒が礼儀正しい」について、「そう思う」「どちらかといえば、そう思う」と答えています。 ●特に中学校では、生徒の学習に対する態度や姿勢を肯定的に捉えています。本市の中学校の落ち着いた状況を表しているといえますが、今後も、各学校の学習環境をさらに充実させていく努力が必要です。
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(2) 学力調査 a. 小学校調査 国語のA区分 (主として「知識」に関する問題) ○全体的な結果は、おおむね良好であると言えます。 しかし、「話すこと・聞くこと」に関して、‘インタビューのときに効率よくメモを取る工夫’<問題ア> や、‘聞き手にとって分かりやすいスピーチにするために大切なこと’ <問題イ> 等について、知識理解に課題があります。 ●大切なことを単に覚えようとするだけでは、知識は身に付きません。インタビューやスピーチなどの活動について、実際に一人ひとりの子どもが「自分で計画を立て、実施し、振り返る」といった体験を通し、大切なことを理解できるよう、授業を工夫することが必要です。
国語のB区分 (主として「活用」に関する問題) ○自分の考えをまとめて書くことに課題があります。 特に、ごみを減らすための取り組みについて自分の考えを決められた字数で書く問題 <問題ウ> と、二つの文章を比べて読み、共通する良さや工夫について自分の考えを書く問題 <問題エ> については、無解答も多いという結果でした。 ●比べて読む力や、評価しながら読む力を高めるとともに、条件に応じて自分の考えを書く力を高めるよう、授業を工夫することが必要です。また、国語の時間だけでなく、あらゆる教育活動の場で、一人ひとりの児童が自分の考えをまとめて書くという活動を、積極的に進めることが必要です。
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算数のA区分 (主として「知識」に関する問題) ○全体的な結果は、おおむね良好であると言えます。 しかし、「数量や図形についての知識・理解」については、 210 × 0.6 の式で答えが求められる問題文を選ぶ問題 <問題オ> において、課題が見られました。 ●問題文から式を立てるだけでなく、式に合う問題文を選んだり作ったりするなど、式や計算の意味を理解できるよう工夫が必要です。全ての児童が基礎的・基本的な知識・技能を身に付けられるよう、個に応じた指導の充実を図ることが必要です。
算数のB区分 (主として「活用」に関する問題) ○問題文や数式等の意味を理解することや、言葉や式を使って考え方を説明すること <問題カ> に課題があります。 ●筋道を立てて考えること、そして、その考えを説明できる力を高める必要があります。学習したことをもとにして一人ひとりが考え、その考えを説明し合うといった、これまでも本市が大切にしてきた問題解決的な学習過程を、さらに充実させることが必要です。
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b. 中学校調査 国語のA区分 (主として「知識」に関する問題) ○全体的な結果は、おおむね良好であると言えます。無解答が少なく、正しく答えようとする意欲が感じられます。 しかし、グラフをもとに情報を読み取り、文章の結論につながるように書く問題 <問題キ> では課題が見られます。 ●文章だけでなく、図、グラフ、表などの多様な資料から、必要な情報を読み取る力を育てる必要があります。また、生徒が自分の考えをまとめて書くという活動に、さらに積極的に取り組んでいく必要があります。
国語のB区分 (主として「活用」に関する問題) ○文章を評価しながら読んで、自分の考えを明らかにする問題 <問題ク> や、複数の広告カードを見て共通する情報を書いたり違いを説明したりする問題 <問題ケ> について、無解答が多く、考えを書いたり説明したりする力に課題が見られます。 ●生徒が自分の視点で文章を評価して表現し合うこと等を通して、文章を評価する力や、自分の考えを効果的に伝える力を育てる必要があります。また、ある程度の量の文章から、伝えたい事を箇条書きでまとめること等を通して、必要な情報を整理して活用する力を育てる必要があります。
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数学のA区分 (主として「知識」に関する問題) ○全体的に良好な結果で、基礎的・基本的な知識・技能について定着が見られます。 落ち着いた学習環境で、生徒が意欲的に学習している成果であると考えます。 ●今後も、円柱と円錐の体積についての比較などについては、体験的な学習活動をより多く取り入れるなど、全般的な知識・技能のさらなる定着を目指し、取り組みを進めていくことが大切です。
数学のB区分 (主として「活用」に関する問題) ○数学的な表現を用いて説明する力に課題があります。 特に、新たに作った計算式が条件に合うことを説明する問題 <問題コ> など、記述式のものについて、無解答が多いという結果でした。 ●数学の授業において、一人ひとりの生徒が問題解決のために自分の考えを臆することなく、図や式、言葉などで表現し、互いに説明し合う場面や評価し合う場面をさらに増やし、知識を活用に結びつける必要があります。
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3.市教育委員会として 質問紙調査及び学力調査の結果から、今回、市全体の傾向として上記のような課題が明らかになり、どのような取り組みが必要なのかについて示しました。 各学校においても、それぞれ結果を分析しており、学校ごとの課題及び今後の取り組みについて、明らかにしていきます。 市教育委員会としては、これまでも、各学校の授業を積極的に参観し、指導助言を行ってきましたが、今後も、市全体及び各学校の課題の克服に向け、授業を具体的に指導するとともに、教職員研修の充実に取り組んでいきます。 また、各学校の課題解決に向けた学習支援体制の充実を図るため、本調査の分析結果をもとに、様々な形での支援を展開していきます。 |
(市の結果と分析は以上です)
市立各小・中学校による結果と分析について
(それぞれの学校のホームページへリンクしています)